今日は「や」の気分

自分が触れて感じたことを伝えるブログです

『Muse Dash』というカワイイ娘の父親と母親は一体誰だったのか

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彼女たちがこちらに向かって飛んでくるタイトル画面

『MuseDash』

その評価やAppStoreでの人気などについては、他の方々が述べているので、さておきます。

 

本記事では、このゲームの歴史…元ネタが何で、どう昇華されていったのかを、

勝手気ままにぶちあげます。

 

太鼓の達人から生まれたmuse

太鼓の達人はご存知でしょうか。

国民的知名度を誇る、老若男女、誰でもプレイできる音ゲーです。

 

その前に『音ゲー』について説明しなくてはいけません。

(あ、適当ですよ)

 

一言で『音ゲー』といっても、大きく2ジャンルに分かれます。

ひとつはビートマニアに代表される「演奏ゲーム」です。

もうひとつは、太鼓の達人のような「リズムゲーム」です。

 

ビートマニアは正しいタイミングでボタンを押すと、音が流れます。

ボタンを押さなければ無音、つまりユーザーはボタンを押すことで演奏します。

 

太鼓の達人は、バチ型コントローラーを持ったまま何もしなくても、

音楽は流れ続けます(ゲームオーバーになるけど)

バチで太鼓を叩くと、音楽に上乗せする形で「ドン」と太鼓の音がします。

打楽器の音なので、メロディには鳴らず、リズムを乗せることになります。

だから「リズムゲーム」なのです。

 

ちなみに音ゲーの始祖である『パラッパラッパー』は、

ボタンを押すと「歌が流れる」のでどちらかというと演奏ゲーです。

 

世間では「音ゲー」という言葉が市民権を得ているものの、

実は「リズムゲーム」のほうが多く存在します。

これはビートマニアを「発明」したKONAMI社が、市場を守るために特許で他社の模倣を封じたから…と言われています。

とはいえ、AppSotreやGooglePlayのアプリが溢れる現在、

もはやグローバルな状態では特許なんて無視されちゃいますね。(ダメだけど)

無料の音ゲーの中には、コナミ特許を無視したものが多くあります。

 

さて『MuseDash』はどちらの音ゲーでしょうか。

答えは太鼓の達人タイプ…『リズムゲーム』です。

 

ただリズムゲームというだけで、太鼓の達人とMuseDashを結びつけるのは早計です。

ですが、MuseDashには二作を結びつける重要なデザインが存在するのです。

それが、叩くべきターゲットの色です。

 

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ゲーム画面。しまった、これじゃ分からない…

上の画面を見れば分かる…いや、分かりづらかった。

画面左端にいるカワイイキャラクターが、ユーザーの操作するプレイヤーキャラです。

その目の前に「縁のかけた2つの白円」が見えるでしょうか。

さらにその白円の中には「青」と「赤」の円が小さく入っています。

 

言い忘れましたが、本ゲームはリズムゲームで、画面右端からずんずん登場する

敵キャラクターを、白円に入った瞬間にボタンを押すことで叩き潰すゲームです。

リズムに合わせて「トンタンバチコン、ズバズバトンバン!」と

スマッシュし続けるゲームです。ああ、爽快感。

 

前述した通り、リズムの成功タイミングは

「敵キャラが白円に入った瞬間」

です。

そして、敵キャラクターは「上レーン」と「下レーン」に沿って流れてきます。

え、イメージが湧きませんか?

そうですか…では、太鼓の達人先輩に登場してもらいましょう。

 

太鼓の達人は、1レーンで構成されています。

画面右からは、叩くべきアイコンが「赤」と「青」の2種類流れてきます。

1レーンなので、リズムを見極める上では色は関係ありません。

打つべきタイミングで、正しい色を打てるか、これが太鼓の達人の肝です。

採点の仕組みは忘れましたが、リズムさえ合っていれば、低得点になるけど

成功判定になったら、さらにユーザー数を伸ばせそうですね。

 

MuseDashは2レーン構成。

リズムが合っていても、色が間違っていたら失敗判定になってしまう。

流れてきた敵が何色なのか(当然、赤と青の2色ですよ)判断しながら、

さらにリズムを正確に刻むプレイスキルが求められます。

 

ほら、なんだか2つのゲームがリンクしてきましたよね?

アイコンが赤と青である以上、MuseDash側は太鼓の達人を師と仰いでいる可能性は高い。

MuseDashは開発元のPeroPeroGamesが太鼓の達人を研究しつくした結果、

さらなる複雑さを求めて生み出された作品と言えるでしょう。

 

 『ずんずん求める複雑さ』

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求めちゃうぜ~!

では、どのような複雑さを求めたのか。

 

その前に、本ゲームのデザイン(見た目)の勝利について説明する必要があります。

 

本ゲームはリズムゲームでありながら、その見た目は「横スクロールアクション」です。

いや、そうは見えないケド…という指摘もごもっとも。

横スクそのものではなく「それっぽい画面」です。

ね、それっぽくは見えるでしょ?

 

横スクっぽくしたことで、ある爽快感が発生しました。

「リズムを叩きのめす」爽快感です。

 

リズムゲームは、飛んでくるボタンをタイミングよく押すゲームです。

ですが、そのボタンとタイミングを知らせる枠(MuseDashなら白円)は

ステマチックで無機質で機械っぽいつめたーい感じのデザインでした。

あの『pop'n music』ですら単なる物理ボタンと同じ絵です。

 

MuseDashも白円は冷たい感じです。システマチック。

しかし、他のゲームとは一線を画すグッドな発想が入っています。

それが「プレイヤーキャラ」と「敵キャラ」の存在です。

 

リズムを刻むのではなく、タイミングに合わせて敵を倒す。

やっていることは他のリズムゲームと同じでも、

この「ガワ」が乗るだけで爽快感が数倍以上になります(ホントに)

さらに「物語」を感じるようになります。

 

リズムゲームは最初から最後まで「同じこと」の繰り返しです。

譜面こそ違えど、そこに物語は存在しません。

 

が、

MuseDash横スクという「ガワ」を用意することで、

プレイヤーキャラが目的地に向かって前進しているという図式を用意し、

そこに立ちふさがる敵、敵、敵…という図式を組み合わせることで、

「敵との戦闘に勝利する」

という物語的爽快感が生まれます。

 

PeroPeroGamesのクリエイターはそこで手を緩ませない。

敵がいるならばボスがいる。

ボスとはなにか「強敵」だ。

リズムゲームにおける強敵とは「手強い譜面」だ。

手強い譜面はどこで出現するか?

それは「サビ」だ!

 

ということで、各楽曲、サビになるとボスが出現します。

ボスがやることは「打つべき敵をその場でぽいぽい投げてくる」ことです。

通常の敵に比べると速度が早く、ぴょんぴょんジャンプしたりして、

視覚的に難易度を高く感じさせます。

 

難しい譜面をクリアしたというリズムゲームの「爽快感」

手強い敵を撃破したというアクションゲームの「爽快感」

これを組み合わせることで、他のリズムゲームにはない爽快感を生み出すことに成功しているのです。

 

【まてまて、もうひとり親がいるだろう】

リズムゲームの親と言えば太鼓の達人ですが、

実はもう一人の親がいます。

 

それが『リズム天国』です。

ゲーム業界的には今でこそ人気シリーズですが、

第一作目の発売当初は、どちらかというと『メイドインワリオ』のような、

奇ゲー(奇妙なゲーム、奇天烈なゲーム)という認識だったかと思います。

(あのビジュアルだし…)

 

リズム天国』はNHK的というか『デザインあ』的というか、

リズムゲームを「見た目で楽しませる」ことに特化したゲームデザインです。

 

「見た目に特化」

「見た目」

 

…!

 

はい、つながりましたね。

 

MuseDashは『太鼓の達人』という母親と『リズム天国』という父親から生まれた、

とてもカワイイ娘だったのです。

 

【さあ、買おうじゃないか】

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中国産? いえいえグローバルですよ!

さあ、ここまで読み進めたアナタ!

太鼓の達人リズム天国のどちらか、あるいは両方が好きなら、

このゲームは買わなきゃ損です。

 

確かに中国のゲームですが、もはやその魅力はグローバル。

むしろ「中国のゲームってスゴイ…!」と今のうちから知っておけば、

来るゲーム業界戦国時代に乗り遅れなくて済むかもしれません。

 

あるいは、日本と中国が手を取り合って、新しいゲームを作る未来が、

割と簡単に、スムーズにイメージできそうです。