今日は「や」の気分

自分が触れて感じたことを伝えるブログです

【感想】はたらくUFO

◆はじめに

Android版をプレイ。

『はたらくUFO』はハル研究所のチーム『HAL EGG』が開発し、販売されたアプリ。
ドット絵風のアートワークで、ハル研らしいファミコンライクなビジュアルを楽しめる。
BGMはテーマソングのアレンジでバリエーションを出している。
曲数自体は少ないが、耳に残るテーマソングで、全体の雰囲気は統一されている。

ゲームは「つかむ→はこぶ→おく(積む)」の3動詞で構築されている。
タイトルにある通り、ネタ元はUFOキャッチャーだろう。
ここに「重力」というよりは「重量」と「バランス」を混ぜて難易度を作り出している。
また「達成目標」を1ステージに対して3つ用意して「やりこみ」要素を用意している。

◆ビジュアル

アートワークがすばらしい。
ドット絵だからノスタルジーを刺激する、ということではない。
単純に、デザイナーのセンスがすばらしい、というだけの話。

絵にしても、アニメーションにしても、
「キャラ性が感じられる」
「愛着がわく」
「このゲームならではの絵」
になっていてる。

それにより「世界への愛着」を成立させ、
「このゲームに浸っていたい」という感情を生み出している。

とりわけ可愛いのがショップ店員。
1ドットの差で、眉間にシワを寄せて不機嫌な様子を作ったり、
商品購入後にニコリと笑ってくれたり、このキャラもまた世界に浸らせてくれる。

むしろ彼女?に会いたいがためにゲームをプレイして…というのは言い過ぎか。

ファミコン時代から、ドット絵にはさまざまな流派があると思われるが、
この「ゆるかわ」路線が生まれたのは『星のカービィ』だろうか。
イラストのゆるさがゲーム内に登場したのは初代『ヨッシーアイランド』だった気がする。「コンピュータードローイング」というやつだ。

カービィにしてもはたらくUFOにしても、さすがハル研である。
だてに『メタルスレイダーグローリー』を作っていない(ちがう)

◆ゲームプレイ

正直、イライラする。
当たり前だ、ネタがUFOキャッチャーなのだから。

上手くいかないクレーンの動きを、精神を落ち着けて繊細な指使いで抑える必要がある。

失敗すればイライラするが、そのイライラを放置するとゲーム成績が落ちる。
だから、イライラを制御しなければいけない。
クレーン制御というより、自制心制御のゲーム。

楽しくない、ということでもない。
コツコツと丁寧にシゴトを積み重ねていく体験は、周囲のキャラクターの感謝もあって、なかなかに達成感がある。

ただ、目に見えない「感覚」に頼ったゲームデザインゆえ、終始あいまいなプレイ感で、失敗時には大きないらだちを感じる。
特に、ちょこんと触れただけで荷物がゆっくりと崩れていくさまは、なるほどこれほどまでにイライラさせるのも才能がある…と達観する。

繰り返すが、楽しい体験でもある。
のんびりと、他のことに気を取られないゆったりと過ごせる時間があれば、きっとストレスは溜まらなかったに違いない。

◆本当の元ネタ?

バッジとれ〜るセンター

本作の影には、このソフトがあった気がしないでもない。
UFOキャッチャーをネタとしたゲームはいくつかあるだろうが、
任天堂風味を足したのはこのゲームが初めてだからだ。

◆その他気になったところ

店員の「なのれす」口調がかわいい。
学芸員の困り顔がかわいい。
農場のおじさんのダンスがかわいい。
ステージセレクトで男性が照れるのがかわいい。
おすわりしてる埴輪?がかわいい。口元が良い。
結局、怪盗?みたいな女の子はなんだったんだ…。
サーカスのゾウさんがかわいい。

とにかく、かわいいが詰まっているアプリ。