今日は「や」の気分

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【彼方のアストラ】【感想】第七話『PAST』

あまりに面白い。
思わずオープニングを見直す。
初めてオープニングを見たときの「読みづらいな?」という違和感の正体はこれだったのか。

このふつふつと沸き上がる面白さ、最近で言えば『SHIROBAKO』『グリッドマン』、過去で言うなら『機動戦艦ナデシコ』だ。

一話の中でパッケージングが完成していて、クオリティが高い。
それが連なり、統合されて、全体を構成している。
全体像を俯瞰して作られた作品の強みがこれだ。

原作も優れているのだろうが、アニメスタッフの把握力、取捨選択能力も優れている。
伏線リンクチャートを作ったらその密度に驚きそうだ。

意識的だと思うが、毎話、複数の感情シーンを盛り込んでいる。
笑い、悲しみ、喜び、驚き、怒り、後悔…
ずっとシリアスなトーンで進むことはなく、ずっとコミカルなトーンで進むこともない。
5分ごとに、感情シーンが切り替わり、そのアップダウンに翻弄される。
メインシナリオの「どうなるんだろう?」という強い「ヒキ」に加えて、キャラクターたちの喜怒哀楽とコミュニケーションが混ざることで、常に視聴者の感情が刺激される。

見やすく、分かりやすく、謎めいていて、感情移入できて、好きになる。

良いゲームは、
・面白いこと
・分かりやすいこと
・興味が持続すること
・好きだと思えること
が必須要素だ。

ゲームに限らず「作品」と呼ばれるものはそうかもしれない。
(全てを超越した「崇高」という作品もあるけれど)

『彼方のアストラ』はこの全てを兼ね備えている。
おそらく、最後まで面白いままだろう。

アニメが最終話を迎えたあと、原作漫画の売上が一時的に伸びると思われる。それもかなり大幅に。
この作品は大切だ。
原作を早く買って読みたいが、それよりも先に「何も知らないまま最後まで見届けたい」という気持ちがある。
そして「全てを知ったあとで、原作を買おう」と思わせる力、親しみを覚える。
そう考えている視聴者は多いんじゃないだろうか。

今のアニメ業界では無理な売り方だが、全話収録して8000円くらいで売れば、かなりの売上がのぞめる気がする。

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以下、関連インタビュー(上から順番に読むのが良いです)

◆コミックナタリー
マンガ大賞2019レポート】
https://natalie.mu/comic/news/324532

◆まなびや
【元アシスタントの「本城まなぶ」によるインタビュー】
https://manaboy.jp/manga/interview_shinohara.html

◆コミックナタリー
【アニメ放映を迎えての原作者:篠原健太✕監督:安藤正臣の対談】
https://natalie.mu/comic/pp/astra