今日は「や」の気分

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2019/11/30:雑記

『彼方のアストラ』思い出し

カナタはどういう主人公だったか?
ちょっとヌケたところがあるが、抜群に頼れる兄貴分だった。
最近では珍しい「熱血」タイプの主人公だったとも思う。
視聴者は、なぜ古臭いタイプの主人公像にも関わらずカナタを気に入ったのだろう?
 
少しヌケたところがある、つまり隙があったから、親しみやすさを覚えたのだろうか。
あるいは危機的な状況を勇敢にも乗り越えてきたから応援したい気持ちになったのか。
子ども時代の悲劇、宇宙旅行で発生した事故という不遇な状況に憐れみを覚えたのか。
 
カナタは主人公だったが、主人公と捉えて視聴していただろうか。
あのメンバーの中の一人、リーダーシップを発揮する英雄的キャラとして認識していなかったか。
『彼方のアストラ』は主人公とその他の物語ではなく、あのメンバーたち全員の物語だった。
 
しかし、確かにカナタは主人公ではあるのだ。
主人公を「もっとも大きな存在」として考えると、創作の可能性が狭まるのかもしれない。
主人公は「主として決断を下し、物語を進行させる者」程度の役割なのかもしれない。
あるいは「出来事の中心にいる者」でしかないのかもしれない。
 
『彼方のアストラ』は「主人公とその他」の物語ではなく「集団とリーダー」の物語だった。
 
うーむ…
 
物語は主人公とは関係なく繰り広げられる。
それを誰の視点から捉えるか、という問題があり、割り当てられたキャラが主人公になるのかもしれない。
 
ハリケーンが訪れたアメリカで、ハリケーンの外から見るのか、内側から見るのか。
外側であれば主人公は大統領だったり、ニュースキャスターだったり。
内側なら災害に巻き込まれた父親だったり、休暇に訪れていた海軍兵士だったり。
職業はさておき、同じ出来事でも描かれる物語が異なる。
 
加えて、主人公の役割…というよりは主人公に適している者の資質は「物語をより盛り上げる」ことができるか、だ。
『彼方のアストラ』の世界、物語を一切変えなかったとして、主人公がザックだったら景色は変わっていただろう。
もしかしたら「つまらなく」なっていたかもしれない。
カナタは主人公だから主人公らしく行動しているが、それは実は逆で、
主人公らしく振る舞うから主人公になりえるのかもしれない。
 
つまり…
 
おおまかな物語があって、これから主人公を作るとき…
主人公像から作るのは間違っていて、物語を盛り上げるためにはどういう主人公像が最適かを探し求める。
「危機を乗り越える」だけではなく「危機に遭遇する」キャラのほうが物語の暴風圏に近づける。
危機に遭遇するということは、危機を自分で作り出すトラブルメーカーか、危機的状況に陥りそうな仲間のもとに積極的に近づくリーダータイプになる。
 
惑星サバイバルというジャンルにあって、どういう主人公像がもっとも話を盛り上げるか。
篠原健太がもともと想定していた根暗でひねくれた主人公だと危機的状況に「巻き込まれる」。
カナタなら、積極的に危機の中へ「突っ込んでいく」。
こちらのほうが、物語が大きく動く。
物語で一番恐ろしいのは停滞と退屈だ。
だからカナタは、一番動き回るのだ。
 
たぶん。
 

『星合の空』7話感想

・試合は白熱、とっても面白かった
・意外にしっかりした試合描写といえば羅川真里茂の『しゃにむにGO』を彷彿とさせる
・ちょっと強豪校のエースにしては杜撰なチームワークだけど、中学生だからぎりぎり許容…か
・中学生のメンタルというか行動を分かってないから、なんでも許容できる…けど、嘘くささも感じる
・マキとトウマは顔を近づけすぎですよね?
・視聴者に媚びて演出したのなら、イヤだなー
・でも、みつえさんなんて萌えてください、と言わんばかりの露骨演出だし…じゃあいいか!
・みつえさんがモジャかわいい
・アラシとの試合中、オープニング曲で盛り上げつつ、勝敗の行方が不明になり始めたら無音になるの最高
・テニスの効果音がすごく気持ちがいい
・マキの「練習よりもっと良いものが…」的なセリフ、先生の登場でうやむやになってもやもや
・全12話だろうに、ほぼ全員に家庭の問題があって収拾がつくのだろうか…
・マキとトウマの物語かと思っていたが、実はそうではないのだろうか…
・普通に見ていれば主人公はマキで、それは「物語を一番盛り上げる機能」があるから選ばれているはず
・ただ、その物語がまだ見えない
毒親、虐待、トラウマ…そういったものを熱中できるスポーツと、仲間たちとの絆で乗り越える物語…ではないのか?
・もし全員の家庭環境に問題があるのなら、マキが主人公として据えられているのは「もっともひどい」「現在進行系」「華がある」といったところか
・マキ以外の面々は、苦難を乗り越えるが、マキだけは乗り越えられないのかもしれない
・他の面々は犠牲を払うことなく乗り越えることができるが、マキだけは犠牲を払うことになるのかもしれない
・主人公に据えられた少年は、もっとも苦難が待ち受けているのだから
・マキが何を失うのか、それが8話以降の肝になるか