今日は「や」の気分

自分が触れて感じたことを伝えるブログです

【感想】星合の空:第8話

ここに来て、ようやく理解した。なぜこの作品が好きなのかを。
それは…志村貴子だ!
放浪息子』のあの雰囲気、空気感…それがこの作品にはあるんだよ!
 
中学生たちの揺れ動く繊細な心を、地に足のついたリアリティを交えつつ、そのセンチメンタルさたるやグサグサと読者の心にエモーショナルな共感を巻き起こすあの志村貴子の。
 
ということは、だ。
登場人物がばばーっと出てきて、そのいずれも何やらスタメンはれそうな魅力を持っていて、作者のフォーカスが各話ごとに変わるってこと。
志村貴子の作品は、主人公はいるものの、どうやらその主人公が物語の軸ではない。
「今回の話はこの子の話だよ~、それからこの組み合わせの話にもしてみたよ~」という自由奔放さ。
ひええ、ニトリくんがほとんど登場しないけど、面白い…!
となる。
 
『星合の空』はマキを中心として、その周囲を旋回する衛星である生徒たちを描く。
マキにフォーカスする話もあれば、生徒にフォーカスすることもある。
それに、太陽系全域というか、マキを含めた部員全体を俯瞰することもある。
 
この物語に主人公は存在する。
それはマキだ。
けど、主人公としての役割は「話の中心にいる」ってことじゃない。
「誰かとつながってる」ってこと。
そのつながりに「相手のことを理解するんじゃなくて、想像する」って考えがある。
 
なるほどなー。
「マキとトウマの活躍が少ない」って思うのは間違っていたのかも。
「マキと誰かの会話をもっと見たい」って思ったものな。
 
もしかしたら、物語の最後でマキが失うものは、マキ自身なのかもな…。
 
それはそうと。
 
今回もミツエさんがもじゃかわいい。
皮肉屋だけど気骨があって、度胸もある。
でも、そういう虚勢の裏には、当然しんどさがあるのよな。
 
さて、今回の話、レイアウトと演出がすごくよかったので、スタッフに感謝しなければ!
誰がどういうキャリアか調べずに書いてますよー。(監督は除く)
 
脚本は監督でもある「赤根和樹」さん。
絵コンテは「加瀬充子」さん。
演出は「名和宗則」さん。
演出補佐は「田中タカユキ」さん。
 
スタッフについて調べる前に、自分が感じたことを書いておこう。
 
・学校の中の色々な場所、角度を映していて「学校を舞台とした作品」という感じがすごくでていた
・背景さんがんばった~
・窓が印象的。エフェクトを強く炊いているわけではなく、じんわりと休日の昼間っぽさが出ていた
・学校の中の窓も印象的。ただの白と言えばそうなんだけど、生っぽさを感じた
・部屋の中のレイアウトがぎゅぎゅっと狭い感じがなんだかリアルに感じた
・狭い空間で自分の価値観を話し合う様子がとても良かった
・2人が立っているのではなく、座っているのが良かったのかも。普通、立って話はしないよね
・マキがミツエさんに顔を寄せて、ミツエさんが怒りつつ恥じらうのがよかった!(よかった!)
・ミツエさんが美術準備室?を訪れてからの一連のシーンがレイアウト、作画ともに好み(うまい、というより好きなんだ)
・なんだろう…手と指と骨にこだわりを感じた
・ミツエさんが肩をすくませたとき、ゆるやかな直線で処理しているのいいなあ…ジブリ味を感じる
・ミツエさんがスカートを握りしめたときの手の形、指の形がきれいだな…
・この感想を書くときに、アマプラで無音声で同シーケンスを流してみたけど、引き込まれるってことは演出がいいのでは!
・最後、いつもの場所でたそがれているミツエさん、そこに駆け寄るマキ…やや遠いカメラがいいなあ!
・なんか、このカットだけで泣ける…なんだろ、やるドラ味というかI.G味を感じる(味、味うるさいな…)
・風景の中に人物がいる、その距離感が現実ではあたりまえで…あとは若干右下に向かって斜めなのがいいのかな
・なんだか劇場版のようなレイアウトに感じられた
 
…よし!
あとはスタッフの経歴を調べてエールを送ろう!
 
まずは「加瀬充子」さん!
ほうほう「かせあつこ」さんね、あつこって読むのか…げえ!なんだこの経歴!
初演出が『闘将ダイモス』って、どんだけベテランだ!
日本で初めてロボットアニメの演出を担当した監督だと!
パトレイバー』の絵コンテね…ほうほう。
『ママは小学4年生』の絵コンテと演出ね…ほうほう!
アイアンリーガー』に『リューナイト』…ははあ!
…うーむ、その先も経歴がすごい。
さすらいの女監督(絵コンテ)ってところか。
 
いきなり大物が登場したが、次だ!
名和宗則」さんだ!
「なわむねのり」さんね…げええ!
『EVE ZERO』のアニメ作画監督やってるじゃん!(そこかい)
どちらかというと萌え作品を監督することが多いけど…それは絵がうまいからだろうな。
柔らかい線をかけないと、萌えやエロは描けないものな…たぶん。
魔法遣いに大切なこと』の作画監督もやってるな…そりゃ、空気感があったかくなるわ。
 
よし…最後だ!
「田中タカユキ」さん。
ほうほう…ははーん。
ヒートガイジェイ』で赤根監督とつながったのね。
ふむ『ノエイン』もやってるか…へえ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』もやってるぞ。
あとは『プリキュア』もやってるから…日常描写は得意とするところか。
 
スタッフの皆様、おつかれありがとうございました。
と勝手に書いておく。
誰かが作らないと、作品はこの世に生まれないのだ…。
それから、美術準備室のシーケンスを担当したアニメーターのかた、ありがとうございました。